頭ではわかっているのにできない。
上手くいかない。
でも人にはわかってもらえない…。
そんなことありませんか?
その裏には「個性」の違いが影響しているかもしれません。
今回は、職場のメンバー(人志向)に起きた課題解決に、個性學(個性学)を活用した成功事例をご紹介します。
課題:自分の仕事よりも、みんなで手分けする仕事をつい優先してしまう
A君の所属する職場には、大きく2種類の仕事があります。
- みんなで手分けして対応する仕事(お客様対応など)
- 各自が担当する仕事
A君の現状の課題は、みんなで手分けして対応する仕事(お客様対応など)を優先しすぎてしまうことでした。
周りの人から見るとA君は、「人から頼まれると断れないタイプ」です。
いつもすぐに「いいですよ」と言って、他の人でもできそうな仕事を引き受けて対応していました。
その結果、自分が担当する仕事は後回しになり、遅れ遅れになってしまいます。
終業後になってようやく自分の仕事をやり始め、結局なかなか終わらない…というループにはまってしまっていたのです。
「残業してやります!」という意欲はあるのですが、「自分の担当する仕事を、期限や時間内に終わらせてほしい」と上司は感じていました。
こんなとき、A君には何と声を掛ければ良いでしょう?
思わずこんなことを言いたくなるかもしれません。
- 「まずは、自分が担当する仕事を優先して責任を持ってやろう」
- 「他の人でもできる仕事なら、断ることも大事だよ」
- 「周りに振り回されずに、上手に仕事の調整をしないと」
さて、このような言葉をA君に伝えたところで、根本的な解決になるのでしょうか。
相手の「個性=考え方・大切にしているもの」を理解してから伝えよう
個性學3分類でみると、すべての人は3つの個性のどれかに属します。
そして、それぞれの個性は根本的に全然違います。(驚くほどの違いです!)
異なる個性の人には、相手の個性(=考え方、大切にしているものなど)を理解しないまま自分の考えを話しても伝わりにくい場合があります。
伝わらないだけならまだいいのですが、良かれと思って伝えた言葉によって、相手が大切にしているものを無意識に土足で踏みにじるような思いをさせてしまい、信頼関係に致命的なダメージとなることも。
普段からメンバーの個性を理解しておくと、問題の解決だけでなく、無用な人間関係トラブルを事前に防ぐことにもなります。
個性學「人志向」は、周りを想う気持ちがとても強いために、自分を優先するのが苦手
Aくんの生年月日から個性を調べてみると、「人志向」ということがわかりました。
-
個性學「人志向」の特徴とは?
続きを見る
上司(大物志向)は、A君と二人きりになってじっくり話を聞いてみることにしました。
A君は、わかってくれます? と言いたそうな雰囲気で、前のめりになって本音を話してくれました。
個性學から捉えてみると、「人志向」は信頼を何よりも大切にし、仕事は「みんなのために」とがんばります。
また「あなたがいてくれたらいい」という承認 を仕事に求めるので、「ありがとう」と感謝されると、ますます「みんなのために!」と献身的に仕事をしてくれます。
「人のために」という強い気持ちが土台にあることは、「人志向」の素晴らしい特徴のひとつです。
A君は 周りを想う気持ちが強いために、「自分の仕事を優先させてほしい」とは言いづらい… と思っていたのでした。
解決方法:毎日、チーム全員に自分の状況を情報共有する
本音を確認した上司は、解決策を提案しました。
提案した解決策
日頃からチームメンバーに、自分が担当している仕事の状況を共有する
上司も協力し、朝礼で「○○の時間帯は、自分が担当する仕事のための時間をとりたい」とA君がみんなに伝えることから始めてみました。
そうすることで、自分の仕事に集中する時間をあらかじめ確保できます。
結果は良好!
それ以降、受け身で仕事をすることが多かったA君が、自らスケジュールを意識して状況をみんなに共有し、こまめにコミュニケーションを取りながら時間を確保するようになったのです。
まとめ:「人志向」の問題を解決するために
「人志向」への対応
- 信頼を大切にする「人志向」は、周りのことを考えて自分の本当の気持ちを押さえる傾向があることを理解する
- 二人きりの安心できる空間でじっくり話を聞く。悩んでいることや土台にある想いなどに目を向け、相手の「人志向」に向きあう
- 解決策を一緒に考え、協力して取り組んでみる
- 「一緒にやろうよ!いつでも相談してね」の関り方を大切にする
個性3分類のうち、誰もが属するのは1つだけ。
「相手のことを深く理解できていないんだ」と前向きにとらえることが、相手を理解しようとする第一歩です。
個性學を活用すると、目の前の人が行き詰っていることについて仮説を立てて考えたり、深く理解してあげられるようになります。
相手にとって無理なく実行できるアドバイスのためにも、個性學を活用していきましょう。
まずは、日常で深く関わっている身近な人の個性を知り、その言動の土台にある価値観の違いを知ることから始めてみてください。